「夜の見守り、センサーに頼っていいのかな?」
「補助金で買えるって聞いたけど、本当?」
夜勤帯は少ない人数で数十人のフロアを見守る。転倒が怖くて巡視を増やせば、そのぶんほかの業務が押す——人を増やす以外に手がないように見える悩みですよね。見守りセンサーはその負担を軽くする有力な選択肢。気になるのは、やはり費用です。
この記事では、見守りセンサーが補助金(介護テクノロジー導入支援事業)の対象になる条件と上限額、「機器だけ買う制度ではない」という注意点、申請でつまずきやすいポイントを整理します。導入検討の判断材料にしてください。
【結論】買えます。見守りセンサーは補助対象の代表格。ただし「機器だけ買う」制度ではない
先に、結論からまとめます。
- 見守りセンサー・見守りカメラ・インカムなどは、介護テクノロジー導入支援事業の対象分野「見守り・コミュニケーション」に含まれます(出典: 厚生労働省実施要綱)
- 機器単体の補助上限は1台あたり30万円が目安。移乗支援・入浴支援など大型機器は1台100万円の区分です(出典: 同要綱・補助金ポータル)
- 複数機器をまとめて導入するパッケージ型(400万〜1,000万円)もあります
- 2026年度は導入だけでなく研修・定着支援・効果報告までセットの制度設計。「とりあえずカメラを買う」つもりで申請すると計画の具体性不足で通りにくくなります
制度全体の仕組み・補助率(1/2〜最大4/5)は完全ガイドで解説済みです。この記事は「夜間の見守り負担を減らしたい施設」向けに絞ります。
対象になる機器一覧(見守り関連)

| 機器 | 概要 | 想定される効果の例 |
|---|---|---|
| 見守りセンサー(ベッドセンサー・体動センサー) | 離床・体動・睡眠状態を検知して通知 | 夜間巡視の回数見直し、転倒リスクの早期把握 |
| 見守りカメラ | 居室の状況を映像で確認(プライバシー配慮型を含む) | 駆けつけの優先順位づけ |
| バイタル連動型センサー | 呼吸・心拍等の変化を検知 | 状態変化の早期把握 |
| インカム・コミュニケーション機器 | 職員間の連絡を即時化 | 応援要請・情報共有の時間短縮 |
| 排泄予測センサー | 排泄タイミングを予測して通知 | 定時交換からの移行 |
※「効果の例」は一般的に期待される用途であり、効果を保証するものではありません。施設の運用状況により異なります。
対象機器の目安として、福祉用具情報システム(TAIS)で「介護テクノロジー」として選定された機器を要件にする県があります(大阪府の例。出典: 大阪府公式ページ)。候補機器が決まったら、ベンダーに「TAIS登録の有無」「この事業での導入実績」を確認するのが確実です。
補助上限の目安【2026年度】

| 区分 | 補助上限 |
|---|---|
| 見守りセンサー等の機器 | 1台 30万円 |
| 移乗支援・入浴支援機器 | 1台 100万円 |
| パッケージ型導入(複数機器+定着支援) | 400万〜1,000万円 |
補助率は条件により1/2〜最大4/5(出典: 厚労省実施要綱・補助金ポータル)。たとえば1台25万円のセンサーを10床分・補助率3/4で導入できれば、250万円の投資が自己負担約63万円になる計算です(例示。県の要綱・採択状況により異なります)。
Wi-Fi・通信環境の工事はどうなる?
見守りセンサーは通知を飛ばすための通信環境(Wi-Fi)が前提です。通信環境整備の扱いは県により異なり、【要裏取り: 見守り機器導入に伴うWi-Fi工事費の補助可否を自県要綱で確認。記録ソフトでは千葉県が+15万円の上乗せ枠を設けている】。古い建物でWi-Fiが弱い施設は、機器代より工事費がかかることもあるため、見積段階で必ず含めてください。
申請前に確認する3つの要件

- 安全確保の体制: 入所・居住系では、テクノロジー活用に関する委員会の設置などを補助率アップ(3/4)の要件にする例があります。見守り機器は「夜間の人員配置・巡視のあり方」に関わるため、活用ルールづくりが求められます
- 導入計画の具体性: 「何号室の誰の、どのリスクに対して、通知を誰が受けて、どう動くか」まで書けるか。ここが曖昧だと不採択の典型パターンです(→よくある不採択理由5つ)
- 事前手続きの締切: 交付申請の前に事前エントリー・事前協議・セミナー受講を課す県が多く、大阪府・千葉県は2026年7月13日で事前手続きを締め切りました。自県の状況は都道府県別まとめで確認してください
導入前に考えておきたいこと(制度より大事な話)
見守りセンサーは「置けば夜勤が楽になる」機器ではありません。よくあるつまずきは次の2つです。
- 通知が多すぎて疲れる: 感度設定が合っておらず、鳴りやまない通知に現場が疲弊し、最終的に無視されるようになる
- 記録とつながっていない: センサーの検知履歴と介護記録が別管理になり、二重入力が発生する
対策はどちらも「導入後の設定調整と運用ルールづくり」です。2026年度の制度が研修・定着支援込みの設計になっているのは、まさにこの失敗が多かったためと考えられます。記録ソフトとの連携まで視野に入れるなら、記録ソフトの補助金との同時申請も検討の価値があります。
よくある質問
Q. 見守りカメラはプライバシーの問題になりませんか?
A. 配慮は必須です。シルエット表示型・検知時のみ映像化する製品など、プライバシー配慮を前提にした機器が主流になっています。導入時は本人・家族への説明と同意の取り方まで含めて計画してください。
Q. 夜勤の人員配置基準は緩和されますか?
A. 特定の施設類型では、見守り機器の導入等を要件に夜間の人員配置基準の特例が設けられていますが、要件が細かく、機器を入れれば自動的に緩和されるものではありません。【要裏取り: 最新の人員配置基準特例の要件(3unit夜勤・テクノロジー要件等)を確認して追記】
Q. 何台から申請できますか?
A. 1台からでも申請自体は可能な県が多いですが、導入計画として「どのフロア・どの利用者層に何台」という設計が求められます。台数の根拠を作ってから申請するのが現実的です。
まとめ
- 見守りセンサーは補助対象の代表格。機器単体は1台30万円、パッケージ型なら最大1,000万円規模
- TAIS選定機器・委員会設置・導入計画の具体性が採択の鍵
- 事前手続きの締切が実質の申請締切。締切済みの県が出始めている


