申し送りを口頭やメモだけに頼っていませんか? 情報共有の漏れは、思わぬヒヤリハットにつながる原因になります。
とはいえ、職員間の連絡はいまだ「仕組み」がなく、スタッフ個人の努力に頼っている施設が多いのが現状です。
解決策として「LINE WORKS」が気になりつつも、
- 「いくら費用がかかるのか分からない」
- 「導入や設定が難しそう」
といった理由で、検討がストップしていませんか?
そこで本記事では、LINE WORKSでできることや料金プランの違い、介護現場への導入手順をわかりやすくまとめました。
30人までなら完全無料で試せますので、業務改善の第一歩としてぜひ参考にしてください。
【結論】LINE WORKSは「操作がLINEのままの業務チャット」。30人まで無料で試せる
先に、結論からまとめます。
- LINE WORKS(ラインワークス) は、LINEとほぼ同じ操作感で使えるビジネス向けのチャット・グループウェアです
- 個人のLINEと違い、施設がアカウントと履歴を管理できます。退職者のアカウント停止も施設側で可能です
- 料金はフリープラン(30人まで・無料)から。有料はスタンダード 1人あたり月450円(年契約)〜(2026年7月時点。出典: LINE WORKS公式)
- 介護現場での定番の使いどころは申し送り・フロア間連絡・シフト調整・既読確認
「そもそも職員間の連絡にLINE系を使ってよいのか」という論点は介護施設でLINEを使うのはあり?で整理しています。この記事は「LINE WORKSに決めかけている施設」向けの各論です。
LINE WORKSとは?
LINE WORKSは、ワークスモバイルジャパン社が提供する業務用コミュニケーションツールです。
トーク画面・スタンプ・既読表示など、見た目と操作がLINEとほぼ同じであることが最大の特徴です。
介護現場は年齢層・ITスキルの幅が広い職場です。新しい業務アプリの導入で最初につまずくのは「使い方を覚えてもらう」段階ですが、LINE WORKSはほとんどの職員が「いつものLINEと同じ」で使い始められるため、教育コストが小さいのが介護施設に選ばれる理由です。
LINEとの違い(ここが業務用)
| LINE(個人) | LINE WORKS | |
|---|---|---|
| アカウント | 個人の電話番号に紐づく | 施設が発行・停止できる |
| トーク履歴 | 個人の端末に残る | 管理者が保存・監査設定できる |
| 誤送信対策 | 私的トークと同居 | 業務専用アプリで分離 |
| 既読 | 既読数のみ | 誰が読んだかを確認できる |
| 掲示板・カレンダー・アンケート | なし | あり |
「誰が読んだか分かる」は介護現場ではとくに嬉しい機能です。
申し送りの「見ていませんでした」を、仕組みで減らせます。
料金プラン【2026年7月時点】

| プラン | 料金(1ユーザー/月) | 人数 | 容量 | 主な違い |
|---|---|---|---|---|
| フリー | 0円 | 30人まで | 合計5GB | 基本機能(トーク・掲示板・カレンダー等)。ビデオ通話は4人・60分まで |
| スタンダード | 450円(年契約)/540円(月契約) | 無制限 | 1TB | 管理機能強化・通話200人・サポートつき |
| アドバンスト | 800円(年契約)/960円(月契約) | 無制限 | 100TB | +Drive・メール |
(出典: LINE WORKS公式 利用料金ページ。料金は変更されることがあります)
目安: 職員25人のデイサービスならフリープランで開始できます。職員40人の特養でスタンダード年契約なら月18,000円(40人×450円)です。
プラン選びの考え方
- まずフリーで小さく試す: 1フロア・1ユニットなど範囲を絞って1〜2か月運用し、定着してから全体に広げるのが定石です
- 30人を超える施設、トーク履歴の長期保存・監査を重視する施設はスタンダードへ
- メール機能まで統合したい場合のみアドバンスト
介護施設での活用例4つ

- 申し送り・引き継ぎ: フロア別・ユニット別のトークルームで共有。既読で「誰にまだ伝わっていないか」が見える
- シフト調整: 欠勤発生時の代替募集をグループに一斉送信。電話の掛け合いをなくす(→シフト調整をLINEでやる方法)
- 掲示板で「流れない連絡」: 研修案内・行事予定・マニュアル類はトークではなく掲示板へ。トークに流すと埋もれます
- アンケート: 行事の出欠・研修日程の希望取りをアンケート機能で。集計が自動化されます
気をつけること
- ケア記録の代わりにしない: 利用者の状態記録は記録ソフトに書き、LINE WORKSは「気づき・呼びかけ」に絞る役割分担が現実的です
- 勤務時間外の通知ルールを先に決める(「休日は返信不要」「緊急は電話」)。ここを曖昧にすると、便利さが職員の負担に変わります
- 私物スマホ(BYOD)か施設端末かの方針と、私物利用時の同意・手当の整理
導入5ステップ

- 管理者を決めて無料登録: 施設のメールアドレスで開設。管理者は「ITに強い人」より「現場の連絡の流れが分かる人」が向きます
- 運用ルールを1枚にまとめる: 書いてよい情報の範囲/時間外の扱い/トークと掲示板の使い分け(→09のルールづくり参照)
- 試験範囲で1〜2か月運用: 1フロアなど小さく開始。うまくいった型を横展開する
- 職員を招待して展開: 招待はQRコードで簡単。初回だけ「入れ方サポート係」を決めて短時間の説明会をすると定着が早まります
- 効果を確認して定着: 「電話・かけ直しが減ったか」「申し送り漏れが減ったか」を現場に聞き、ルールを見直します
よくある質問
Q. 職員の家族や利用者家族ともLINE WORKSでつながれますか?
A. LINE WORKSは外部のLINEユーザーとつながる機能もありますが、家族向けの窓口はLINE公式アカウントの方が適しています(相手が普段のLINEのままでよいため)。使い分けは3つのLINEの違いをご覧ください。
Q. ガラケーの職員がいます。
A. スマホ前提のツールです。全員がスマホを持っているとは限らない前提で、掲示板の内容は紙の掲示と併用するなど、移行期間の二重運用を計画に入れてください。
Q. セキュリティは大丈夫ですか?
A. 業務用サービスとして管理・認証機能が用意されていますが、実際の安全性は施設側の運用(パスワード管理・退職時のアカウント停止・書いてよい情報のルール)に大きく依存します。ツール任せにせず、運用ルールとセットで導入してください。
Q. 補助金の対象になりますか?
A. チャットツール単体は介護テクノロジー導入支援事業の対象になりにくい位置づけです(県の要綱によります)。補助金の本命は記録ソフト・見守り機器で、LINE WORKSは「月数百円で自腹でも始めやすい施策」と捉えるのが現実的です。
まとめ
- LINE WORKSは「LINEの操作感×施設の管理機能」。教育コストの低さが介護向き
- 30人まで無料。まず1フロアで小さく試す
- 成否はツールではなく、時間外ルール・書いてよい情報の線引きで決まる


